事業再生を用いるか否かの判定基準

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判定基準

後継者にそのまま承継させるか、それとも事業再生スキームを活用して承継させるかの一つの判断基準として、債務償還年数という指標があります。
金融機関が企業査定の際に、債務超過基準とともに用いている財務指標で、企業の有する負債を企業の返済能力でもって何年で返済することができるかを示す基準です。

バブル崩壊以降続いている資産デフレによって金融機関が担保としている物件の価値は目減りをし、担保物件を換金することも一部地域を除いてままならない状況にあるため、 返済能力から見て企業が抱える債務が過剰かを判断する債務償還年数という指標を企業を査定する基準として利用しています。

債務償還年数の算出方法

債務償還年数は、以下の方法で算出します。

(借入金総額-運転資金)÷(経常利益×50%+減価償却費)
※ 運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務

一般に、上記算式で算出した債務償還年数が、10年以内の先は正常先、20年以内の先は要注意先、30年以内の先は要管理先、30年超の先は破綻懸念先と判定されます。

債務償還年数を用いた判定

上記算式で算出した債務償還年数が、10年以内であれば後継者にそのまま承継することを検討すべきであり、10年超の場合は事業再生スキームを活用した承継を検討すべきと考えます。

債務償還年数が10年以内であれば、一般的に正常先とされて、銀行等の金融機関からも新規の融資を受けて資金を調達することが可能ですが、 債務償還年数が10年超の先は、現状のままでは新規の融資を受けるのが容易でないばかりか、少しでも業績が悪化すると貸出金の回収を受けて資金繰りに窮する恐れが高い先であるため、 大幅な業績改善を望みにくい状況下では、事業再生をしてから後継者に承継することを検討すべきであると言えます。